養液栽培
情報の泉Vol.001
イチゴの品種あれこれ
今や冬の食卓には欠かせないイチゴ。最近は次々と新しいイチゴ品種が出てきており、「品種の戦国時代」と言われています。
主力品種について、ちょっと見てみましょう。
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<とちおとめ>
栃木県で育成された東日本の主力品種。粒が大きく、糖度も高く、東日本の主力品種だった女峰よりも酸味が少ないため、非常に高い人気があります。また、実が固いため、日持ちが良く、栽培され始めるとあっという間に広がり、平成15年度には作付け面積が全国1位になると予想されています。
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<章姫>
静岡生まれ。“石垣イチゴ”で有名だった久能早生の後継品種です。収量性は抜群で、酸味が非常に少なく、甘さが際立っているため、女性や子供に人気があります。果実が柔らかめのため、観光イチゴ園での栽培が多く、高設ベンチでの養液栽培には特に向いていて、バリアフリーの観光イチゴ園などに人気があります。
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<さちのか>
九州を中心に広がり、全国3位の作付け面積の品種です。従来の品種に比べ、若干晩生ではあるものの、その濃厚な甘みは誰にでも好まれ、特に春先の味の乗りは他の品種よりも優れています。また、ビタミンC含量が高いという長所もあり、今後もさらに栽培が広まっていくと思われます。
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<女峰>
西のとよのか、東の女峰として、長年日本のイチゴを二分する人気を誇っていましたが、酸味が強く、実も小さめのため、とちおとめに東日本の主力品種の座を奪われています。しかし、その酸味と実の形の素晴らしさから、ケーキ用としては依然として高い人気を誇っています。
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<とよのか>
西日本の主力品種。果実が大きく、糖度が高く、また、香りが非常に強いことが人気を呼び、長年全国1位の作付け面積を維持してきました。うどん粉病に弱い、玉だし作業が必要など、農家泣かせの品種ではありますが、消費者の絶大な支持により、依然として主力品種の座を守っています。
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<紅ほっぺ>
静岡で章姫を親に作られた品種です。章姫よりも晩生ですが、花数が少なめで、1つ1つの果実が大きくなります。章姫と比べて酸味があり、甘さと酸味のバランスが良い品種です。
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<アイベリー>
アイベリーは、最も実が大きくなる品種で、摘果をしてやれば、子供の握りこぶし大になるという品種です。贈答用として、非常に高価に取引されています。
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<さがほのか>
佐賀県の品種。その名の通り、ほのかな香りと上品な味わいが特徴です。病気に弱いという欠点もありますが、収量も多く、果形が揃う、評価の高い品種です。
夏でも花が咲く!四季成りイチゴ品種
<夏実®(エッチエス138)>登録品種(登録名 エッチエス-138)海外持出禁止(公示(農林水産省HP)参照)
イチゴは本来、低温で花が咲くため、夏になると蕾が出なくなってしまいます。
この品種は、低温感受性が低く夏でも花が咲く「四季成り」の特性を持っています。実が固く、輸送にも耐えるため、特にケーキなどの業務用に重宝されています。