養液栽培

情報の泉Vol.002

高温期に出やすいトマトの生理障害 トマトの尻腐れ

症状

尻腐れの初期症状は、果実が直径2センチ前後に肥大した時点に果実の先端部付近に褐色の小斑が現れる、または水浸状になります。症状が軽い場合は、果実が肥大しても陥没せずに小斑のままで止まりますが、症状が重くなると果実の肥大に伴い、果実の先端部分を中心に黒く陥没します。

発生しやすい条件

日射量が多く、生育が盛んになる3?10月頃に発生が多くなります。
一般的に尻腐れの原因は、カルシウム欠乏と言われています。カルシウムは体内移行性が低く、再移行(根から吸収され、葉に移行したカルシウムが再度果実に移行)しにくい成分です。栽培ベッドを乾燥させたり、極端な湿潤状態にしたりすると、根傷みが起きやすく、根が傷むことにより水分を吸収しにくくなってカルシウムの吸収量が減少します。その結果、果実へのカルシウムの配分が少なくなり、尻腐れが発生しやすくなります。

対策

対策には、蒸散量の増加に応じて灌液量を増やし、培地内の水分含量を好適に保つことが有効とされています。
カネコ種苗(株)では、灌液の過不足を減らすため、自動灌液制御器「FBナビS」を新発売いたしました。FBナビSは、排液量の多少に応じ、灌液量をコントロールすることが出来ます。その結果、培地内の水分含量を好適に保った安定栽培と、肥料の節約につながります。
また、尻腐れが発生しやすい時期には、定期的にカルシウム剤の葉面散布を行うことが尻腐れの予防に有効とされています。(植物抽出成分配合の有機キレートカルシウム剤「カルハード」を当社で取り扱っております。お問い合わせください)